雨が少ない夏だった。この暑い最中に果樹も数本植えたところだし、雨は心からありがたいのだけど、実を言うと、本心は穏やかではない。ここに引越した頃、大雨が降ると、家の周りを茶色い濁流が激しく渦巻いていて、床下に流れ込んでいた図を思い出すのだ。それから何度も大地再生の土木作業を繰り返し、梅雨でも、台風が来ても、排水の心配をすることは無くなったのだが、心は少しざわざわする。
うちの家の屋根は東西に軒下がある。南北は屋根が短いので、南側の窓は雨でぐっしょり濡れてしまう。窓を閉め忘れると、大変。かなり吹き込む。東西の屋根の先には、雨樋をつけていない。その代わりに雨が落ちるラインに溝を掘って、外壁に跳ね返らないようにしている。この写真は西側、2階から撮影。この写真は東側、2階から撮影。外に出て、屋根の雨の外壁への跳ね返りを確認。
溝を作る前は、何しろ、2階の屋根の高さから落ちるので、地面に強く当たって、壁が砂だらけになっていた。濁流になるほどの雨の時は、家の周りが大きな池のようになっていたので、濁った水溜りの水が、屋根からの雨水を受けて、壁を汚し、濡らした。
今は、吹き込んだ雨が壁に当たって流れることがあっても、水跳ねはなくなった。
東壁。東側の水脈は渓谷風。
西壁の溝は割れ瓦を詰めて。ここが家の周りの雨が最後に溜まる穴。途中にパイプを通して、下の土地に流しているので、どんなに大雨でもここが溢れることはない。仕事部屋も、溝を作る前は、雨が降るたびに、腰のあたりまで、跳ね返りの泥で汚れていたが、今は大丈夫。バッテリー小屋も今や全く跳ね返りなし。裏口に取り付けたタープのおかげで、雨のたびにびちょぬれになっていたサンダルたちも無事。渡り廊下の木材のためにも、とても良い雨よけになっている。雑草が生えているところには、当たり前だが、水溜りはできない。雨が溜まっているとこは、土のままにむき出しになっている裸地ばかり。雨が小枝や葉を押し流して溜まって裸地になる、とも言うが。裸地を狙って、また小枝や葉を置いて、雑草が生える土地を育てなくてはならない。うちから車で20分のりんご園へ。夏の暑さにやられて、すぐにりんごが痛んで、大量廃棄になっているらしい。気候変動。フードロス。いろんなことを考えさせられる。