大地再生のワークショップ2日目。本日の参加者は9名。1日目に、草と木を大量に剪定して、ここの土地の凹凸がわかるようになったので、本日はついに本題、土を触る。水脈を掘って、そこに昨日大量にでた剪定枝で埋めていく。
ここの土地が切土なので、一から手作業で掘るには、固すぎる。なので、ユンボの出番。ユンボに乗ったKさんは、朝から晩まで、とにかく脈を掘り続け、その後から、手作業でスコップを持って土を掻き出すチームが一つ。
<雨樋のない屋根のための水脈>
そのほかの人は、まずは犬走りの外に水脈を作る。
1.犬走りよりもやや長めに、細めの剣先スコップの幅で掘る。仕上げに瓦を詰めるので、できるだけ壁面も直角になるように。
2.溝の底辺に竹炭を敷く。3.半年雨ざらしにして発酵させた畳をちぎりながら、ふりかける。4.藁(畳)の上から竹炭を振り撒く。5.瓦を敷き詰める。砕いた瓦をまっすぐに立つように並べる。少々当たっても、動かないようにギュウギュウ詰めに。このまっすぐな瓦に沿って水が流れる。両サイドの瓦はやや背を高くする。その理由は、泥が水脈に入り込まないようにするため。
これは、あまり手入れの必要のない水脈の作り方。犬走りに最適。
<ユンボで拓いた水脈を仕上げる>
1.ユンボの描いた穴に沿って、土地の勾配意識しながらスコップで掘りすすめる。2.底に竹炭を撒く。3.発酵した畳をちぎって投げ込む。4.その上にこれまた剪定してキープしておいた竹を適当な長さに切って並べる。5.剪定枝を適宜カットしながら、先に埋めた竹に、生花を活けるように、挿していく。水の流れを止めないように。下流から上流へ、逆ハの字になるように。溝の壁面は真砂土が雪崩ないように土留めの役割を持たせるために、壁面にクロスさせて枝を留めたり。
真砂土は本当に崩れやすい。作業する先から先から、ちょっと当たっただけで崩れていく。草たちの根っこがこの土を早く掴んでくれることを願う。近年の土砂災害の理由がわかった気がした。<犬走りの水脈と大動脈を連結>
この支流には、屋根下と同じように、瓦を詰め込んでも良いのだが、埋設した方が、土地利用がしやすいという判断で、有孔パイプを埋め込むことに。パイプの内側には螺旋状の溝が入っていて、孔からも水が抜けて地下浸透しつつ、緩やかな流れで本流に合流する。
ほかの水脈と同じように、溝の底に竹炭、藁の順番に撒いてから、先を尖らせた竹でパイプを貫通させて固定する。右の壁、左の壁、とホースをできるだけ、うねうねと蛇行させることがポイント。その両脇に竹を詰め、仕上げに剪定枝を活けるように挿して仕上げる。支流、本流が、剪定枝で埋まった風景は、本当に美しく、現代アート作品を見ているような気分に。
<点穴を開ける>
集まった水が深く地下浸透するように、ところどころに深い点穴を開ける。
こちらは大きいサイズの場合。太めの枝をまっすぐ束ねて、まるで一本の巨木がここから生えているように。これに仕上げは同じく、剪定枝を活けていく。
こちらはそれよりも小さめ、浅めのパターン。
竹を花束を作るように、放射線状に広がるように、外側から詰めていく。仕上げはやはり剪定枝で。
そのほかにも敷地内には色々な点穴が誕生。
こちらは、ドリルで開けた、腕がすっぽり入る細い穴。こちらは、斜面と平地の境に開けた、イノシシの仕業のような大きな、雑な穴。ユンボは止まらない。レンタル時間ギリギリまで、溝を掘り続けていた。続きは明日。ちなみにこちらが、野ざらし5ヶ月ちょっとの畳。やや臭うものの、良い発酵をしている!とのこと。まさかこの畳が大地再生に役立つとは思わなかった。そして、こちらが5ヶ月ちょっと野ざらしの茅葺の茅。表面は乾いているものの、ちょっとしたを掘ると、もう分解されて土になってる!!!畳も茅も、場所をとるけど、捨てずにとっておいて、良かった!