この家のお隣が偶然、土建屋さんだったというのも、ツボだったが、そのおじさんの紹介の解体屋のおじさんが、さらにツボだった。初めて会ったのに、初めての気がしない。改築に使いたい木材を残したいという希望も、畳や萱を畑に入れて肥料にしたいなんて希望も、笑顔でオッケー。なんでも、古民家を解体して出た古材で家を建てるのが趣味だなんて、願ったり、叶ったり!古いものへの審美眼が同じで、可笑しいやら、嬉しいやら。
次に紹介されたのが瓦屋のおじさん。○○城の瓦の葺き替えもしたという実力派がやってきた。そして、「明日から足場を組んで、雨漏りを止めよう」と話がまとまった。
とんとん拍子。
あとは大工さん。瓦屋のおじさんのおすすめ大工にするか、解体屋のおじさんおすすめの大工にするか。嬉しい悲鳴。
いくらネットで検索してもわからない、おじさん数珠つなぎネットワーク。
本日の解体につての覚書。
●見積もりは解体費用350万円(税別)(トラック横付け。茅葺30坪、納屋15坪、風呂3坪)
●気持ちよく仕事したいので、値切ることはしない。でも、見積もりにはなかった延40坪の蔵に満載になっている大量のゴミの処分もしてくれるというので、自分の中で素直に納得。
●自然素材しかない茅葺日本家屋は解体費用も安いかもと思っていたけど、それは間違いだった。なぜなら、茅を解体すると膨らんで、4トントラックでも10往復する量になるらしい。
●移住者あるある。移住元の知り合い大工をわざわざ連れてくる人がほんとに多いが、のちのちメンテナンスで困る事例が増えている。施工は地元の人に頼むのが良い。
●解体は重機で壊してなんでもかんでもガサッと運ぶと思ったら、大間違い。まずは、家の中のゴミをひとつ一つ分別。気が遠くなる作業。今は厳しく分別が義務付けられているので、壊してからの分別は不可能。なので、重機で壊す前に、家の中を空っぽにしなくてはならない。軽く一週間はかかるだろう、というの話。
●今日の分別は、鉄、紙、布、ビニール。これがきちんと再生されるなら、地球に負担をかけるのはビニールのみ。さすが、古民家。これを見習いたい。今の住宅メーカーの20年そこそこで撮り壊れてしまう家の、再生できないゴミのことを考えると、憂鬱。
●解体屋のおじさんが解体の仕事が好きな理由は、古いものをコレクションできる(笑)。そしてもうひとつ。丁寧に仕事をして、最後に美しく整地をした瞬間見たさにやっていると話していた。
●解体屋のおじさんの名言。「やるなら、徹底的にやれ。中途半端が一番ダメ」ほんと、それ。